我が家のステンドグラス

我が家のステンドグラス

 独身の頃はあちこち動き回っていましたが、結婚して少し落ち着きが出て来た30代前半のころ、どこかでステンドグラスを見た時に、「自分でこんなものを創れたらいいなあ~」と思い、ステンドグラス教室を見学させて頂きました。1時間くらい見学すると、ステンドグラスを作る作業の手順のようなものがだいたい解り、「これなら自分でもできるぞっ!!」と思い、すぐその足でアートマン(趣味の具材類の専門店)へ行き、基本的な道具とガラスなどの材料を購入しました。約1時間の見学だけで、あとは誰からも教わることなく、自分だけで始めました。つくる工程は極めて単純なのですが、手間暇がかかり、とにかく時間を要する作業ですが、時間さえかければ大体の物はできます。

 ステンドグラスは、4~5世紀の頃から作られていたようですが、大きく発展したのはやはり16世紀のバロック建築の時代でしょう。13世紀に始まった宗教改革の影響で、旧教側はそれまで独壇場だったキリスト教世界で巻き返しを図る必要に迫られました。文字で書かれた文章で民衆にアピールするより、スケールの大きな教会をドカーンと建てることで民衆の度肝を抜くことを図りました。そして、大きな外壁の一番目立つところに見た目に美しいステンドグラスを配しました。見たこともないスケールと美しさこそ、旧教側の正当性を物語る神の威光であるという仕掛けです。また、大きな建物を建てれば、室内を装飾する美術品や音楽もスケールの大きなものが必要になって来ます。カラヴァッジオ・レンブラント・ルーベンスらのバロック絵画が出現し、テレマン・バッハ・ハイドンらのバロック音楽が生まれました。

 ガラスを細かなパーツに切り、それを繋げ合わせて組み立てます。ガラスのパーツはハンダでくっつけます。ガラスと金属のハンダはくっつくことがないので、ガラスのパーツの縁に銅のテープを張り、銅と銅をハンダでくっつけることで、全体を組みたてます。窓に掛ける平面的なものは、テーブルの上で作業をし、出来上がったら窓に取り付けます。ランプシェイドのような立体的なものは、立体的になるようパーツを一つ一つ組み立てて行きます。ランプスタンドは専用のスタンドを使用し、天井に吊るすランプシェイドは、天井にはめ込むソケット(専門用語が違っているかも知れません)と配線コードを自分でつくり、天井にカチャッとはめ込みます。知人に差し上げたものもたくさんありましたので、今までいくつくらいつくったのかは解りません。大聖堂のような大きな建築物に取り付けるステンドグラスは、板ガラスをつくる段階で絵付けをし、個人でつくるようなハンダではガラスが支えきれないので、金属の枠のようなものでパーツを支えるように組み立てます。また、大聖堂のステンドグラスは建築部材の一つですから、別のところで作ってから掛けるのではなく、建築中に建築部材として組み入れます。