東野圭吾・村上春樹、古くは横溝正史・松本清張なども一通り家にあったと思いますが、今はすべて処分してしまいほとんど残っていません。が、内田康夫だけは処分する気分にならず、すべて手元に残してあります。内田康夫と言えば、浅見光彦シリーズですね。「平家伝殺人事件」「後鳥羽伝説殺人事件」「天河伝説殺人事件」など、タイトルを見ただけで読みたくなってしまうようなものばかりです。テレビでもお馴染みで、ウィークデイのテレビ番組を見ると、必ずどこかの局で放映しているようです。BS6と8で、そして地デジで、同じ日に計3つも番組が組まれていることも珍しくありません。浅見光彦役は、水谷豊・辰巳琢朗・沢村一樹・速水もこみち・榎木孝明・中村俊介など、どこかユーモラスな中に優しい雰囲気を持つ俳優さんが演じています。 推理小説と紀行文が程よくブレンドされた作品の中には、日本各地の伝説や風習などが、絶妙に組み込まれているので、ストーリを楽しむだけでなく、のんびりと旅をしている気分にしてくれます。「風の盆幻想」「しまなみ幻想」などは、そこに居るような気分で楽しめます。北は北海道の網走から、南は琉球の文化まで、本当に各地の文化風土が面白く紹介されています。毎回、殺人事件が起きるのですが、どこか同情できる部分のある事件ばかりで、悲惨な後味はほとんど残りません。エンターテイメントの要素だけでなく、「鯨の啼く海」「靖国帰還」などでは、捕鯨問題や靖国問題などの社会問題に深く切り込んだ作品なども多く見られます。また、「はちまん」「遺影」など、戦争の実体験者として、戦争関連の問題提起の作品も多くあります。数えたことはありませんが、100冊は越えていると思いますので、時間を気にしなくてもよい生活になったら、ゆっくり読み直してみようと楽しみにしています。